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医療コラム
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赤丸で囲ったところは右顔面神経に血管がぶつかったところです。顔面神経が脳幹からでたところで血管がぶつかると、顔面神経の表面が傷んで血管の拍動が神経に伝わるようになり、顔が勝手に動く(顔面痙攣)ようになります。同じような機序で三叉神経が脳幹からでたところにぶつかると、顔の痛み(三叉神経痛)が出るようになります。
脳腫瘍や脳血管障害の手術では、すでに症状が出た場合でも、まだ症状が出ていない段階でも、治療や予防の観点から手術をしないといけない(もしくは勧める)という認識が患者側にも医療者側にも生じます。しかし、顔面痙攣や三叉神経痛に関しては診断が難しいことと、機能的手術ということで、なかなか手術は広まりません。
徐々に手術は集約化され、都内では脳神経外科手術をしている病院の中でもごく一部で症例を抱えている状態です。運悪く症例数が少ない病院で診断されて、経験が少ない術者に手術されて、合併症がでてから後悔するということがないように、医療者側のモラルも大事ですし、患者側の知識も大事です。
私は民間病院で急性期手術をメインにやっていた関係で、予防的手術に関しては脳卒中の予防手術しか自信がありません。要するに、脳動脈瘤手術と血行再建術は予防を含め開頭顕微鏡でもカテーテルによる血管内治療でも自信を持って自分で施行しますが、機能的手術に関しては自信を持って紹介できる医師を推薦させてもらっています。
先日、ホームページを見たという顔面痙攣の方が来院し、MRIを撮影して手術適応と診断しました。海外での仕事もあってすぐには難しいので。。。という要望もあり、ひとまず当院でボトックス注射をしました。眼瞼痙攣ではボトックスが著効しますが、顔面痙攣だと収縮力や範囲が広く、なかなか完全にはコントロールできませんでした。
海外出張を終えて、その患者さんは戻ってきました。ボトックスで若干顔面神経麻痺が出つつ、痙攣も残っているという状態でしたので再度の手術をお勧めし、こんど経験のある術者に手術をお願いすることになりました。連携病院の先生方は、無理やり外来予約や手術枠を確保してくれるので助かっています。
以前に「病院に患者さんを紹介するとクリニックにその後戻ってこない」とこのコラムで嘆いたことがあります。その傾向は今でも変わっていませんが、私自身の認識は変わりました。患者さんは自由な意思で退院後に通う施設を決めればいいと。入院中に連携病院に回診に行ったり、連携病院で手術を執刀したりすれば、患者さんは戻ってきますので。
都内に限らず大病院は軒並み赤字のようですから、外来患者さんも手術症例も抱え込みに各病院必死みたいです。でも、医療は本来営利目的ではありませんし、患者さんにとってベストな治療や手術が受けられる選択肢を提示できることが、安心できる医師の条件だと思いますので、困ったらいつでもご相談ください。