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医療コラム
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今日は野村先生の外来だったので、午前は聖路加国際病院、午後は東京Dタワーホスピタルで手術予定でした。でも、聖路加の患者さんは状態が良い方に変わったので手術はありませんでした。午前はクリニックで仕事をし、昼からDタワーへ手術に行って、夕方戻ってクリニックを手伝いました。

手術をしたのはこの患者さんです↑。左の写真が2週間前、右の写真が昨日のものです。両側の慢性硬膜下血腫ですが、向かって右側(左脳)の血腫が増大しています。2週間前には少し脳のシワが見えており正中偏位も少なかったものが、シワが見えなくなり正中偏位しています。
患者さんが比較的若いことと両側性であることから症状が出にくいのですが、急速に進行し神経症状が悪化することがあります。若いと少ない血腫に見えても急に悪化しやすいとか、両側のものは初期に症状が出にくいとか、こういうことは教科書には書いてありません。
注意深く観察すると患者さんの動きや喋りがゆっくりで「何か変だな」ということも感じ取れます。この患者さんは前日に某大学病院を受診し手術はまだ不要と診断されました。家族や職場の人が疑問に思い、当院にセカンドオピニオンで来院しました。大学病院では働き方改革で上級医師の監視がなく診療が行われることが増えているようです。
2週間前の画像CD-ROM以外は何も資料を持たずに紹介状もないため、当院で再検査しすぐに本日の手術を予定しました。いつも出入りしている東京Dタワーホスピタルならスムーズに入院手術ができるかと思い、Dタワーの長谷川院長にお願いして本日無事に手術完了しました。
順調であれば明日ドレーンを抜去して、明後日退院となり当院で経過観察予定です。ただ、何度かDタワーにも通ってもらうようになるかもしれません。というのも、右側にも血腫がありますし、栄養血管塞栓術をすることもあるからです。カテーテルによる慢性硬膜下血腫の治療は比較的新しい方法で、また別の機会にご紹介します。

↑この写真は右の三叉神経に血管が当たっている様子です。これも昨日外来に紹介状なくセカンドオピニオンで来た患者さんのものです。某大学病院でペインクリニックにかかったり、脳神経外科や眼科や耳鼻科にかかって診断されなかったようです。目や耳や顔の痛みの症状で明らかな三叉神経痛です。
「手術で治りますよ」と教えてあげました。今まで長い経過もあるので簡単ではありませんが、ひとまず三叉神経痛の内服薬に変更し、手術をする方向で調整したいと思っています。手術は微小血管減圧術というものですが、私に担当して欲しいということなので、上手な先生と一緒に手術には関わろうと思っています。
当院では多くのセカンドオピニオンに対応しています。でも、紹介状や資料をお持ちではない方がほとんどなので、病名もあるので保険診療で検査をやり直し、診断や治療方針をご説明するという流れになっています。脳神経外科疾患に関して、治療や手術に疑問がある方はいつでも来院して下さい。
医師はいわゆるブラックな環境で成り立つ仕事ですから、働き方改革で勤務時間を減らすのは間違いです。医師には仕事量に見合う報酬を出せばいいですし、脳神経外科や救急診療の質の低下をきたす働き方改革は見直しの時期に来ていると思います。港区医師会理事として何かできることはないか考えたいと思っています。