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物忘れ、早期認知症(MCI)の診断治療

27日の木曜日、診療後に研究会がありました。私は座長として参加させていただきました。

脳神経外科クリニックで多く聞く症状として「頭痛」「物忘れ」があります。

特に片頭痛は研究が進み、私が医師になった頃に痛み止めとしてトリプタンが使われるようになりました。比較的簡単に「血管が開くから痛いので、血管を収縮させる薬で痛みが取れます」と言って処方していました。また、病態はよくわからないので「トリプタンが効いたら片頭痛、効かなかったら緊張型頭痛」なんて言ってました。

その後に予防薬がいろいろ他疾患から流用されるようになり、脳を刺激する病態がわかり、刺激物質を特定して、今日のCGRP関連薬が発売されるに至りました。現在日本で使用できるCGRP関連薬は注射が3種類と内服が2種類です。最も使われている「エムガルティ」はガルカネズマブと言います。

同時並行して認知症も研究が進みました。ドネペジル、ガランタミンやメマンチンと呼ばれるお薬が処方されるようになりました。私自身はあまり積極的に処方はしませんでした、治るわけではなかったので。。。そこに新しい流れとしてレカネマブ、ドナネマブといった薬が開発されました。抗アミロイドβ抗体薬と言われるものです。

アルツハイマー型認知症にはアミロイドβが悪さしていると。実はアミロイドというのは脳神経外科医には親しみがある名前で、高齢者の皮質下出血の原因がアミロイドアンギオパチーと言われてきました。アミロイドアンギオパチーを診断したら、手術しても再出血するから意味がないとも。

アミロイドアンギオパチーは出血を繰り返すというのは嘘ではありませんが、実は予後が悪いのはアミロイドによる再出血ではなく認知症だったのでは?なんて最近は思ったりもします。ところで、〇〇ズマブとか〇〇ネマブって似ていると思いませんか?

これは分子標的薬(抗体医薬品)の一般名(成分名)に使われる共通の語尾(ステム)で、世界保健機関(WHO)の国際一般的名称(INN)の命名ルールに基づいて作られているようです。

「ズマブ(-zumab)」の意味
抗体医薬品の末尾の「マブ(-mab)」はモノクローナル抗体(Monoclonal Antibody)を意味します。その手前に「zu」が入る「-zumab」は、「ヒト化抗体(Humanized Antibody)」であることを示していて、体内で異物として拒絶反応(アレルギー)が起きにくくされているようです。
「ネマブ(-nemab)」の意味
「ネマブ」は、「ズマブ(-zumab)」のさらに手前に「神経系(nerve/nervous)」を標的とすることを示す記号(インフィックス)の「ne」が組み合わさったものです。つまり、「神経系疾患を標的とした、ヒト化モノクローナル抗体薬」であることを意味します。
とのこと、検索したらご丁寧にAIが教えてくれました。。。
研究会とその後の懇親会では久々にお会いした慈恵医大脳神経外科の先生方と、面識のなかった慈恵医大卒の品川先生と親交を深めることができました。私のようなクリニックの脳神経外科医、大学の脳神経外科医、認知症専門の精神科医と認知症の薬を売り出すメーカーのスタッフ、それぞれの思惑はなかなかマッチしないだろうな、というのが感想でした。
印象として、主役である患者さんやご家族の立場や都合があまり反映されていない診断治療スキームであり、設備やコストそして通院から在宅ケアまで含めたインフラの整備まで、単に薬剤メーカーがコストをかけて宣伝しても解決しない問題が山積みですから、認知症治療薬は片頭痛治療薬のように簡単にはいかなそうです。。。

赤坂溜池脳神経外科クリニック

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