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医療コラム
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先日、慈恵医大の循環器内科教授、徳田先生の講演が港区医師会でありました。脳塞栓症の原因となる心房細動の治療について、最新の知見を知ることができました。
まず、脳塞栓症は近年増加している心房細動の患者さんに起こる疾患で、適切な治療で予防可能です。また、脳卒中学会、脳神経外科学会と脳血管内治療学会などが連携して、急性期脳卒中診療体制を変更しています。この変更の第一の目的は、緊急で脳血栓回収術が可能な施設に脳卒中が疑われる患者さんを速やかに搬送しようという試みです。
同じ疾患を扱いながら、“発症前に予防しよう”ということと、”詰まったら速やかに搬送して回収しよう”というのはだいぶ違います。循環器科の方はDOACという抗凝固剤のメーカー、アブレーションや左心耳閉鎖術を行うデバイスメーカーが、脳血管内治療の方は血栓回収デバイスメーカーが各社参入して広報活動やバックアップしています。
今は脳神経外科の手術や救急からは少し距離を置いていて、むしろ予防医療に近いところにいる立場としては、循環器科のアプローチの方が受け入れやすいかな?と思っています。講演後に質問タイムがあり、私はタイトルのESUSについて質問しました。発作性心房細動をどうやって見つけるか?ということが重要であり、その他の塞栓源精査とともに課題です。
慈恵医大の循環器科では、ホルター心電図で異常がない場合、埋め込み型の心電計を留置して発作性心房細動を検知し、抗凝固療法へ導入するのが良いとの説明でした。左心耳閉鎖術はまだ適応が限られるので、発作性心房細動が検知されたら、アブレーションの治療を勧めるとのことでした。また、アブレーションしても多くの患者さんは抗凝固療法を継続しないといけないようです。
ところで、当院では現在ホルター心電図は実施していませんが、保険点数は取れないものの、アップルウオッチなどスマートウオッチを使用した発作性心房細動の検出について、準備を開始しました。脳塞栓症、一過性脳虚血発作など既往がある方や心房細動が心配な方は当院までご相談ください。
診断の結果、必要であればアブレーション手術、左心耳閉鎖術なども実施する方向で専門の医療機関と連携してまいります。
写真は都営01系統の車内ステッカーです。お昼休みに六本木ヒルズにきた際に乗ってみました。六本木(渋谷)方面からクリニックへ向かう方はバスも便利です。新橋行きでもアークヒルズ行きでも利用可能で、新橋行きなら溜池停留所で降りて少し戻る感じ、アークヒルズ行きなら終点で降りてインターコンチネンタルホテル前を通ってドトールコーヒーの隣です。