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医療コラム
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4月12日にクリニックで講演会を行いました。コラム、公式LINEとInstagramのみの告知だったので少人数の参加でしたが、講演会後は無料相談も行いました。YouTubeへの公開はしばらくお待ち下さい。動画編集を開始したところ、Macがオーバーフローしまして、復帰までに時間を要しました。。。そしてこのコラムもしばらくお休みしていました。
講演内容はオープンMRIについてです。開業以来、大変好評をいただいているオープンMRIですが、その仕組みや問題点などをまとめました。ポイントとしては、磁石の種類に電磁石と永久磁石があること、磁場の向きによって装置の形状が変わること、電磁石には超伝導でヘリウムや電力を多く使用することです。
永久磁石を使用するオープンMRIは明るく広いスペースで、音も静かなのが特徴です。そして、ソフトの改善で撮影時間も短くなり、画質も向上しております。現在、MRIの保険点数は3種類あり、主に販売されているMRI装置も3つのレンジに区分けされていて、診療報酬は3T(テスラ)だと7000円、1.5Tだと4000円ほど高くなります。
オープンMRIは永久磁石を使用する関係で、磁力が上げれない状況がありました。過去に販売されていた0.2T、0.3Tのものは主に整形外科で使用されていて、脳関係だと急性期脳梗塞の診断に必須のDWI画像、脳動脈瘤などを調べるMRA画像に難がありました。しかし、現在の0.4Tのものは、約15分で問題なくスクリーニング画像が撮れます。
要するに、安くて必要十分な MRI画像を撮影できる装置ということです。唯一と言っていい難点は、装置の重量です。当院設置のものは14t(トン)もの重さがあり、約30cm幅のH鋼で床下を補強していますので、待合室から検査室までの間が上りのスロープとなっています。
他のコラムにも記載しましたが、山手線の内側に MRI設置の脳神経外科クリニックはほとんどありません。そして、近隣の大学病院や大病院の多くは入院患者さんの MRIを撮影するのに手一杯で、外来患者さんの MRIは外部の検査センターに依頼している状況があります。結果的に、救急車で受診する人以外で脳の病気を心配する人達が難民状態になっています。
日本のMRI装置数は世界で2番目ですし、人口当たりのMRI装置数は世界一です。都心ではMRIの検査を受ける環境はいいはずなのに、当日のうちにしっかり検査結果を聞いて診断治療を受ける環境は不十分です。当院では、すぐに MRIを撮影し、結果や診断を受けれる環境を提供していけるよう、引き続き頑張りたいと思います。