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医療コラム
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私は脳血管障害の外科治療を専門とし、特に開頭クリッピング術、バイパス術、内視鏡下脳内血腫除去術などを多く経験しています。すべての脳卒中患者さんの外科的治療を考えるとこれだけの技では不十分で、カテーテルによる脳血管内治療はどうしても必要になってきます。
以前は私も修行をしたことがあったのですが、あれもコレもやると中途半端になるので、脳血管内治療を専門とするのは諦めた経緯があります。幸い、私の周りにはこの手技の専門家が多く、自分でやらずとも事足りたということもあります。一応、助手くらいはできる知識とスキルをもっていますし、急性期の脳血栓回収術は実施可能です。
そして、話の成りゆきから本の編集をすることとなり、脳血管内治療の本をだすことになりました。監修はこの分野では日本一の症例数を誇る坂井信幸先生で、私の脳神経外科分野における恩師の一人と言えます。脳血管内治療と脳血管外科手術は、両方できてやっと一人前の脳血管障害専門施設と言えること、どちらも同等のリスクとメリットを持つ治療です。カテーテル治療=新しい=安全ということはないので注意してください。
(コラムに転載するにあたり一部修正加筆しました)