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めまいの話(2005年HP記事より転載)

めまいには大きく分けて「回転性」のものと「浮遊性」のものがあります。これは英語でVertigoとDizzinessに使い分けられます。日本語だとめまいと表現される症状はいろいろあって、診断が難しいケースも多々あります。

回転性の場合は小脳や内耳の障害でなることが多いです。脳の検査をする目的は梗塞、出血や腫瘍の有無を確認するためです。特にCTでは小脳や脳幹の所見がとりにくいため、MRIをおこなう必要があります。

回転するということは、両側にあるバランスの中枢の片方が不調になるためで、MRIに異常なければ内耳障害(耳石がどうとか言うが、見えるわけではない)や「良性発作性頭位変換性めまい症」というものが多いです。

非常に稀ですが解離性動脈瘤という疾患がめまいで発症することがあります。めまい以外の随伴症状(麻痺、しびれ、頭痛など)がある場合はMRAという脳血管の精査も同時におこなうことと、一週間くらいの経過観察が必要です。

ストレス性のものの場合は2ー3日の安静で軽快することが多いですが、回転性めまいの場合、念のためMRI,MRAをチェックして、聴力などチェックしておくことを勧めます。

浮遊性の場合、全身性疾患、循環器系の問題、自律神経からメンタルまで考えないといけないので、血液検査は念のため実施しておいた方がいいかもしれません。あとは本人との診察、問診が診断のヒントになることは言うまでもありません。

(コラム転載のため修正加筆しました)

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